伊東初絵一人芝居「花いちもんめ」辰野公演
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伊東初絵一人芝居「花いちもんめ」辰野公演
「満州というとほうもない夢はついえましたが、
その夢が生みおとしたただ一つの真実があなたです。」

迫われゆく、襤褸の群れは声もなし。 せめて摘みたや ― 花いちもんめ。
遍路姿の女は、旅路の理由を道行きの地蔵に語る。
かつて満州のハルビンで家族4人暮らしをしていたこと、ハルビンで終戦を迎え収容所で娘が病死したこと、娘を弔うために遍路巡りをしていること・・・
だがそこに、どこからか聞こえてくる「花いちもんめ」の歌声。
声に追いつめられるかのように女は真実を語り始める。
ほんとうは逃亡の途中で娘を中国人に売り渡してきたのだと。
1995年高校国語教科書にも採用された名作戯曲。
伊東初絵プロフィール
1970年生まれ、長野県駒ヶ根市出身。歌うことが好きで小学4年から合唱を始める。中学3年生で駒ヶ根市の「混声合唱団明日歌」に入団。20歳の時に駒ヶ根市文化会館と昭和女子大学人見記念講堂で上演されたオペラ「青獅子」に出演し演劇に興味を持つ。
東京の劇団昴と駒ヶ根市民の共同公演(現A-StockTheater)には平成11年度から参加。その歌声と表現力の豊かさから主演や重要な役柄を何度も務めている。
最近の出演作:「市民ミュージカルアルプスの少女ハイジ」「アルジャーノンに花束を」(A-Stock Theater)/「誘拐」(風の庵から)/「葉桜」(朗読の会葉桜)/ 他多数。
本作「花いちもんめ」は令和2年箕輪町文化センター付属「劇団歩」での上演からはじまり、駒ヶ根、伊那、飯島で上演。
令和6年8月に阿智村の「満蒙開拓平和記念館」での上演を果たした。
公演スケジュール
| 上演日時 |
令和7年11月15日(土) 午後4時 15:00 チケット窓口OPEN ★上演時間 1時間15分予定 |
|---|---|
| 会 場 |
豊南短期大学記念ホール |
チケット購入方法
スタッフ
脚本:宮本 研
演出:今村妙子
音楽:吉瀬敬太
音響:杉本 等・北澤風羽
制作:伊東初絵・安達宙輝
主催:NPO法人アクターズゼミナール伊那塾
問い合わせ先:080-6930-3027
満蒙開拓の歴史
1932年、関東軍による満州事変を経て、中国東北部に「満州国」が建国されました。
当時、日本は世界恐慌の影響で深刻な不況にあり、なかでも農村部では養蚕業の不振から多くの農家や自治体が借金に苦しんでいました。
この状況を打開する国策として、1936年に「満州農業移民100万戸計画」が掲げられ、翌年から自治体主導による集団移民=いわゆる「満蒙開拓団」が始まります。農業振興や食糧増産が表向きの目的でしたが、実際には満州の実効支配・防衛といった軍事的意図も背景にあったといわれています。
特に長野県は、養蚕業への依存度が高く、中山間地の貧困など複数の要因が重なり、全国の中でも群を抜いて多くの人々が移民として送り出されました。
戦況が悪化した1945年8月、ソ連軍が満州へ侵攻。関東軍は一足先に撤退し、開拓団は取り残されます。
避難の途上で多くの人が犠牲となり、また収容所に逃れた人々も、寒さや飢え、伝染病により命を落としていきました。
その過程で、子どもの命を守るために現地住民に託さざるを得なかった人、あるいは現地の方と結婚した人も多く、のちに「中国残留孤児」「残留婦人」と呼ばれる方々が生まれました。
結果、約27万人の移民のうちおよそ8万人が命を落としたといわれています。
「花いちもんめ」上演履歴
2020年 8月 箕輪町文化会館(劇団歩)
2021年 7月 駒ヶ根市地域交流センター(赤穂公民館)(劇団歩)
2023年 10月 伊那市まつり工房(劇団風の庵から)
2024年 8月 阿智村満蒙開拓平和記念館
2025年 7月 飯島町文化館




